こんにちは、こんです🦊
前回は「独自ドメインって何?」というところから始まり、お名前.comで安く取得する方法を紹介しました。今回はそのドメインを ConoHa VPSとつなげて、外部アクセスを可能にする 実践回です。
1. 導入:この記事でできるようになること
この記事を読むと、以下のことができるようになります:
お名前.comで取得したドメインを、ConoHa VPSと正しく接続するためのDNS設定ができる
Aレコード、ネームサーバーといったDNSの基本用語を理解できる
自分のドメイン(例:yourtool.xyz)にアクセスしたら、自分のVPSが反応する状態を作れる
💡 なぜこれが大事なのか?
ドメインを取得しただけでは、Webページは表示されません。
VPSという“土地”に、ドメインという“住所”を正しく貼り付けるための“地図=DNS”を設定する必要があるのです。
2. 背景・基礎知識
🔹 DNSとは?
DNSとは「ドメインネームシステム(Domain Name System)」の略で、ドメイン名とIPアドレスの橋渡しをする仕組みです。
たとえば yourtool.xyz にアクセスしたとき、裏ではこんな変換が行われています:
yourtool.xyz → 123.45.67.89(あなたのVPSのIP)
1. ブラウザは「このドメインのIPアドレスは何?」とDNSサーバーに問い合わせます
2. DNSレコードをもとに、「IPアドレス:123.45.67.89だよ」と返ってきます
3. そのIPアドレスを使って、Webサーバーに接続します
つまりインターネット上では、人間が見る「ドメイン名」と、機械が処理する「IPアドレス」が別物なので、それをつなぐために「このドメイン名はどのサーバーを指しているか」という対応表であるDNSが存在します。
この変換ルールを設定するのが「DNS設定」です。

🔹 ネームサーバー(NSレコード)とは?
ネームサーバー(NSレコード)とは、「このドメインのDNSレコードはどこで管理されているか」を定義するサーバーです。
例えるなら:
ドメイン=住所
DNSレコード=表札や建物案内
ネームサーバー=その「表札や建物案内」が置かれている市役所(管理者)
🔹 Aレコードとは?
Aレコードは、ホスト名(名前)と IPv4 アドレス(場所)を結びつける最も基本的なレコードです。IPアドレスでアクセスするのは不便(例:123.45.67.89)ですが、Aレコードがあれば「名前(ドメイン)」でアクセスすることが出来ます。サーバーの引っ越し時に、IPアドレスを変えるだけで済むということです。
たとえば:

🔹 ホスト名とは?
(空白) … ドメインのルート(トップレベル)、つまり yourtool.xyz そのもの
www … www.yourtool.xyz のようなサブドメインにあたる
昔から「Webサイトの入り口」として慣例的に使われるサブドメイン。「www」はもともと “World Wide Web” の略で、Webサイト用のサブドメインとして定着しています。
技術的には不要なケースも増えていますが、下記のような理由で設定しておくのが一般的です:
一部のユーザーが「www.〜」でアクセスする習慣がある
検索エンジン最適化(SEO)上、www有無の統一が望まれる
🔹 TTLとは?
TTL(Time To Live)は、DNS情報をキャッシュする時間を秒で指定するものです。
たとえば TTL = 3600 なら、DNSサーバーはそのレコードを1時間(3600秒)キャッシュし続けるという意味になります。

基本的には デフォルトの 3600(1時間)でOK です。
理由:
変更が反映されるまでのラグをある程度抑えつつ、
ネットワーク負荷(DNS問合せの回数)もそこまで増やさず、
多くの運用現場で標準的に採用されている
💡TTLを変更したほうがいい場面

🔹 他のレコード種別との違い

❗️注意点:
CNAMEレコードは
ルートドメインには設定できない(ホスト名が空白不可)ため、転送目的で使う場合は `www` などのサブドメインに限定
されます。
🔹 発展編:DDNS(ダイナミックDNS)とは?
💡このセクションはやや高度な内容です。固定IPを持たない方や、自宅サーバー運用をしたい方向けです。
もしあなたが「固定IP」を持っていない(=自宅回線などでIPが毎回変わる)場合、動的IPとホスト名を自動で結びつけるサービスがDDNSです。
自宅サーバーや監視カメラを外出先からアクセスしたい
サーバーのIPが変わっても、ドメイン名で常にアクセスしたい
というニーズに応えます。
お名前.comのDNS設定でもAレコードを使ってDDNSをサポートしており、専用のクライアントソフトでIP変更を自動通知できます。
3. 実践パート
🔹 ステップ1:ConoHa VPSのIPアドレスを確認
ConoHa管理画面(https://www.conoha.jp/)で対象のVPSを開き、「IPアドレス」を控えておきます。例:
123.45.67.89
🔹 ステップ2:お名前.comにログインし、ドメイン一覧へ
https://www.onamae.com/ にアクセスしログイン
メニュー「ドメイン」 →「利用ドメイン一覧」→ 対象ドメインをクリック
🔹 ステップ3:ネームサーバー情報設定
利用開始直後は以下のような設定になっています。
dns1.onamae.com
dns2.onamae.com
ドメインにアクセスしても、お名前.com指定のページが表示され、ホームページやメールの運用を行うことが出来ません。

「ネームサーバー情報」→「ネームサーバーの変更」→「お名前.comのネームサーバーを使う」→「確認」→「OK」
01.dnsv.jp
02.dnsv.jp
03.dnsv.jp
04.dnsv.jp
上記設定を行うことで、そのドメインに対するDNSレコード設定(Aレコードなど)が有効になります。
🔹 ステップ4:DNSレコード設定
メニュー「ネームサーバー/DNS」→「ドメインDNS設定」→ 対象ドメインを選択
「DNSレコード設定」を選ぶ
以下のように設定:

「追加」→「確認画面へ進む」→「設定する」で完了!
4. つまずきポイントと対処法(FAQ)

5. まとめと次回予告
今回は、ドメインをVPSに接続する“地図”を設定するDNSの基本を学びました
特に「Aレコード」の理解は、今後サブドメインや複数アプリ運用でも役立ちます
ステップ4まで完了していても yourtool.xyz にアクセスすると「This site can’t be reached(このサイトにアクセスできません)」になるのは “正常” です
今回は「ドメインとIPの紐付け(Aレコード設定)」だけだからです。
これは言い換えると:「このドメインにアクセスしてきたら、このIP(VPS)に飛ばしてね」とDNSに教えている状態
しかし、VPS(IPアドレス側)にはまだWebサーバー(例:nginx)やアプリ(例:Streamlit、Flaskなど)が動いていないため、アクセスしてもエラーになります。
🔧 つまり、次に必要なのは?

▶️ 次回:「nginxでマルチアプリに対応しよう」では、1台のVPSで /app1 や api.yourtool.xyz など複数のアプリを振り分ける“入り口”を整備していきます!
6. 参考リンク・補足資料
ConoHa VPSマニュアル
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